最近では野菜や果物でも一年中スーパーに
出回っている物もあって
いつが旬なのか分からなくなってしまう事がありますね。
けれど、やはり旬に収穫される野菜や果物
は、栄養価も高く、味も格別なのです。
夏ミカンや梅、スモモやメロン…
そんな初夏に旬を迎える果物の1つに「さくらんぼ」があります。
「さくらんぼ」の王者と言えば、やはり佐藤錦ではないでしょうか。
そんなさくらんぼ佐藤錦の旬や特徴と
佐藤錦の欠点をカバーした品種についてまとめてみました。
さくらんぼ 佐藤錦の旬や特徴
山形県が誇るさくらんぼ、佐藤錦の旬は短いです。
ハウス栽培の佐藤錦は旬を先取りして
5月末頃に出回りますが、より高値で売られています。
6月に入ると本格的に佐藤錦が
出回るようになり7月の上旬までが旬です。
特徴は
糖度は18度位の甘さとほどよい酸味
と柔らかい実。
「佐藤錦」は、さくらんぼの王様としての座を確実な物にしてきました。
しかし、皮が薄く糖度の高い佐藤錦は
完熟するとすぐに熟れすぎの状態になってしまい
劣化が早く痛みやすいのが最大の欠点です。
完熟と熟れすぎまでの期間がとても短く
実が柔らかく傷つきやすい為に遠くへ運ぶのが大変です。
そんな理由から山形県以外の人にとっては
高級品になってしまうのです。
また、山形県で生産されるさくらんぼの
7~8割が佐藤錦であるということも収穫
しきれないという実態につながってしまうようです。
価格は1㎏2000円~5000円、デパートなど
では、1粒300円の値段がつくこともあり
なかなか味わう事が出来ない果物ですが
最近はふるさと納税の返礼品にもなっていたり
さくらんぼ狩りを行ったりと様々な工夫がなされています。
佐藤錦誕生から100年以上が経つ現在、不動
の王座に位置し続けていたことや
山形県で生産されるさくらんぼの
7~8割が佐藤錦であるということなどから
佐藤錦以外の優秀な品種が生まれずにいましたが
最近では多くの品種が生まれています。
さくらんぼの佐藤錦とは
佐藤錦にはどんな歴史があるのでしょうか。
佐藤錦の生みの親は佐藤栄助さん
その原木から苗木を普及させた育ての親は岡田東作さんです。
佐藤錦の故郷は山形県東根市、最上川の
支流の乱川の扇状地にあり
水はけがよすぎて水田に向かないため、
畑として耕作されていました。
好奇心の旺盛な佐藤栄助さんは、この土地で、
果肉が固くて酸味のあるナポレオンという
品種と、甘いけれど保存が難しい黄玉を交配させ
15年余りかけて原木を作る事に成功しました。
勿論その陰では岡田さんの支えがありました。
甘くておいしいのですが酸味が弱い為に
味に飽きがくる黄玉に酸味が独特なナポレオンを掛け合わせて
美味しい飽きの来ないさくらんぼを作り出すことに成功したのです。
それから100年以上経ち、山形県で生産される
さくらんぼの7~8割を占めるようになりました。
これ以上のさくらんぼはない…そんな思いがあったのでしょうか。
その為に新しい品種改良をする事がなく
収穫時期が重なり採りきれないという事態
を、招いてしまう事になるのです。
最近では佐藤錦のいくつかの欠点を
補うために、新しい品種が出てくるようになってきました。
さくらんぼ佐藤錦の欠点をカバーした品種
#さくらんぼ は #佐藤錦 だけじゃありません!山形県から産地直送でお届けする、#紅秀峰 です。佐藤錦×天香錦を交配している優良品種なので、佐藤錦よりも美味しいと言う方もいるんですよ\(^o^)/🍒🍒🍒 pic.twitter.com/5AtHrDl5uW
— 築地市場ドットコム (@tsukijiichiba) 2017年6月12日
そんな多くの人々の思いから、佐藤錦の
欠点を補うためにいくつかの品種が生まれてきました。
佐藤錦の欠点は
- 完熟と熟れすぎまでの期間がとても短い為に収穫しきれない
- 皮が薄くて糖度が高く痛みやすい
- 完熟するとすぐに劣化してしまう
- 佐藤錦を栽培する割合が高すぎて収穫が集中してしまう
等があります。
そんな欠点を補うためには
- 実を少し硬めにして日持ちを良くしたい
- 実を大きくして食べ応えを良くしたい
- 収穫期を長くしたい
といったいくつかのポイントをクリア
することが必要になり
そんな悩みから生まれたいくつかの品種をご紹介します。
【紅秀峰】
昭和54年に佐藤錦と天香錦を交配して作られ
平成3年に品種登録されました。
実は8~9g、糖度20度以上で少ない酸味が特徴です。
収穫時期は6月下旬から7月上旬です。
【紅ゆたか】
昭和55年に佐藤錦とビックを交配して作られ
平成12年に品種登録されました。
1粒10gと大粒で糖度は20度、収穫は7月中旬です。
【紅さやか】
昭和54年に佐藤錦とセネカを交配して作られ
平成3年に品種登録されました。
糖度は15度くらい、酸味は少なく1粒6g程度、6月上旬に収穫されます。
他にも紅きらり、紅夢鷹(べにむたか)
マドンナの瞳、南陽、正光錦
香夏錦(こうかにしき)、高砂、静御前
大正錦、紅てまり等、多くの品種が生まれてきています。
さくらんぼの糖度20度以上の主な品種は
紅秀峰・紅ゆたか・静御前(しずかごぜん)
月山錦(がっさんにしき)・大将錦(たいしょうにしき)・紅てまり
ですが、最高糖度30度以上の「佐藤錦」もあります。
月山錦(がっさんにしき)は、黄色い実の品種です。
どんな味がするのか、食べてみたくなりますね。
まとめ
さくらんぼの王者「佐藤錦」のあれこれ
についてまとめてみました。
ご参考になれば幸いです。
かわいらしいハート形のツヤツヤとした
佐藤錦を店先で見かけたら
佐藤錦の歴史などを思い出していただけると嬉しいです。
はしごを使ってさくらんぼ狩りもした事
がありますが、美味しいさくらんぼをたくさん食べる事が出来て大満足でした。
今年はさくらんぼ狩りに行ってみるというのはいかがでしょうか。
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