初夏に八百屋さんの軒先で見かけるのが、新生姜。
ピンクの茎、それに白い根元が印象的ですよね。
味噌をつけて生で根をかじると、爽やかな辛みが口の中に広がります。
ところで、この新生姜、普通の生姜と何が違うのでしょう?
「生姜」と「新生姜」・「葉生姜」の違いや旬の時期・効能などをご紹介していきます。
生姜と新生姜の違い
新生姜と生姜は同じものです。
新生姜は掘り出したばかりの状態。
普通の生姜(根生姜・ひね生姜・囲い生姜)はそれを保存して寝かせたものです。
新生姜は土から取り立てのもの。
根生姜は土が付いた状態でそのまま2か月~1年近くかけて貯蔵します。
新生姜は皮がとても薄く、水分もたっぷりでみずみずしい。
香りも爽やかで、繊維質も少なく、そのままかぶりついても良いくらい柔らかいのが特徴です。
味も根生姜に比べて辛みが少なく、生でも食べやすい。
スライスしたものに味噌などをつけて食べたり、酢や調味液につけたりしたものをいただきます。
甘酢漬けは初夏の茎がピンク色の新生姜のみで作れます。
生姜は繊維質で辛みが強く、独特の香りがあります。
すりおろしたり、みじん切りにしたりして使います。
そのまま食べる事は少なく、適量を薬味や調味料として使います。
生姜は世界中で有名で、インドで紀元前3~500年前には保存食や医薬品として使われていたといいます。
日本でも2~3世紀ごろに中国から伝わり、奈良時代には栽培が始まっていたと言われています。
古くから馴染みのある植物なのですね。
葉生姜との違い
「葉生姜」・「新生姜」・「根生姜」は、同じ生姜です。
葉生姜は、小生姜と呼ばれ小ぶりな生姜。
生姜の根茎がまだ小さく柔らかいうちに葉が付いたまま収穫したものが、葉生姜。
葉生姜の種類の「谷中生姜」は有名ですね。
東京の台東区谷中で作らていたことから、谷中生姜と言われています。
ですが・・・現在は、谷中では生産されていません。おもな産地は、静岡県と千葉県になります。
食べ方は、色々ありますが・・
子供の頃は、谷中生姜を洗って皮を削ぎ、味噌をつけて、「辛い・辛い」といって食べてました。
辛さが苦手な人は、味噌にマヨネーズを加えると、辛さが緩和されます。
また、なるべく食べる部分が小さいのを選ぶと辛味が少ないですよ。
ちなみに、魚料理添えられている「はじかみ」も、小生姜を甘酢にしたもの。
このはじかみは、金時生姜を温室で軟化栽培した、葉生姜の一種で「矢生姜」です。
新生姜の旬の時期
では新生姜が出回る5~8月辺りが新生姜の旬なのか、というと、そういう訳でもないのです。
初夏に出回る新生姜は、主にハウス栽培のものです。
普通に露地栽培で生育したものは、春に種まきを行い、10~11月に収穫されます。
そう、新生姜の旬は秋です。
11月の、霜が降りるまでに収穫されたものが旬の新生姜です。
その生姜を一定期間貯蔵したのが、よくスーパーなどでみられる根生姜です。
ただ、生姜は土の中でも色づいていきます。
露地栽培でも9月に収穫したものより、10月に収穫したもののほうが、色がついてしまいます。
なので、初夏に収穫しないと、あの白い新生姜にならないのです。
加えて、秋の新生姜には、茎のキレイなピンク色もありません。
加えて、「新生姜は初夏」のイメージが強すぎて、秋に新生姜を置いている所があまりありません。
なので、新生姜が出回るのは初夏なのです。
葉生姜が出回る時期は、5月から9月で、旬は初夏の時期。
新生姜の保存方法
新生姜を買ってきたら、新聞紙やキッチンペーパーで包んでからビニール袋に入れて保存します。
風通しが良く、直射日光が当たらない場所に置いて、できるだけ早めに使い切りましょう。
ビニール袋の口を軽く閉じて(しっかり閉じると密封されて水分がこもり、カビが発生する恐れがある)冷蔵庫の野菜室に入れておくと1~2週間は持ちます。
ただ、痛みやすいのでこまめに様子を見てくださいね。
普通の生姜に比べて水分が多いので、そのままでは長期保存に向いていません。
他の保存方法としては
- 冷凍保存する
- 加工品にする
のが、おススメです。
丸ごと冷凍する場合は、使う時には解凍せずに凍ったまますりおろします。
あらかじめ、すりおろしたり、みじん切り、薄切りにしたものを冷凍する場合は、板状にしてラップに包み、ジッパー付きの袋に入れて冷凍すると便利です。
凍ったまま使える様に、あらかじめ折れる様にスジをつけて冷凍してください。
加工品としては
- 甘酢漬け(ガリ)
- 紅ショウガ
- 生姜糖
- 生姜の佃煮
などにしておくと良いでしょう。
新生姜といえば?あの商品!
ちなみに、国内ではあまりにも有名な「岩下の新生姜」
こちらは新生姜の酢漬けの商品名です。
岩下の新生姜は、台湾のみで栽培される特殊な生姜「本島姜(ペンタオジャン)」で作られています。
収穫したその日のうちに低温で漬け込み、冷蔵管理されているので、シャッキッとした歯ごたえと新鮮な味わいが実現できているのです。
生姜漬・ラッキョウ漬けでは日本一のシェアを誇る岩下食品の看板商品ですが、本社のある栃木県には「岩下の新生姜ミュージアム」もあるのですよ。
定番商品だけではなく、新生姜入りの甘酒や鍋つゆ、Tシャツや入浴剤まで!
面白い商品を次々に開発しているのです。
「らっきょう」については、らっきょうの効能や栄養は?効果的な食べ方と旬の時期!をご参考に・・
新生姜の酢漬けの効能
新生姜の酢漬けの効能ですが、生姜本来の殺菌作用に加えて、お酢の殺菌作用のダブルの効果があります。
梅雨から夏の暑い季節にかけてだんだんと食中毒が心配になってきますが、そんな時期に殺菌効果が期待できる新生姜の甘酢漬けはおススメですね。
お酢のクエン酸による疲労回復効果もあるので、夏バテ防止にもなります。
さらにもともと生姜に備わっている血流改善や発汗作用で新陳代謝をアップします。
梅雨で体調を崩しやすい時期にうってつけです。
生姜の栄養成分
生姜の三大栄養成分が「ジンゲロール」・「ショウガオール」・「ジンゲロン」
「ジンゲロール」は生姜の辛味成分で、揮発性が高いので、直前にすりおろして食べると良いです。
血のめぐりを良くすることで、冷えを改善する効果・免疫力の向上効果が期待されています。
「ジンゲロール」を加熱すると「ショウガオール」・「ジンゲロン」に変わります。
「ショウガオール」・「ジンゲロン」は、体の内側から体を温める作用があります。
体内の脂肪燃焼を高めることでダイエット効果が期待できます。
「ウルトラ蒸しショウガ」がTVで紹介されました。
生姜を皮付きで薄くスライスし30分蒸して、天日干しで約1日で「ショウガオール」の成分が最大限発揮できるそうです。
まとめ
生姜と新生姜の違いは?などについてはご参考になったでしょうか。
新生姜の爽やかな風味で、梅雨や夏のウツウツとした暑さを吹き飛ばせると良いですね。
冷房や夕立などの季節に合わぬ寒さにも、新生姜の冷えを払う効能が活躍してくれそうですよ。
日本の手ごわい夏への備えに、ぜひ新生姜を。
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