お正月が近づいてくると、園芸店の軒先やスーパーなどで
しめ縄、しめ飾りが売られますね。
年末を感じる素敵な風物詩…。
ですが、そんな和やかな光景を見て、小学生の姪っ子が一言。
「しめ縄としめ飾りの違いってなに?」
・・・え?
しめ縄=「マジメな縄」としめ飾り=「カワイイ縄」
くらいしか浮かばず…。(大恥)
しめ縄としめ飾りの違いなどについて解説していきます。
しめ縄 としめ飾りの違い
調べてみると。
しめ飾りは、しめ縄の一種なのです。
しめ縄に縁起物がついたものが、しめ飾りと言うのです。
そして
- しめ縄は神域を表し、毎年取り替えるもの
- しめ飾りは新年の年神様のためのもの。新年が終わったら処分する
という違いがあります。
もちろん、しめ縄はしめ飾りと同じものなので、しめ飾りとして使っても良いのですが、れっきとした役割の違いがあります!
しめ縄の意味や歴史は?
しめ縄ですが
「神聖な空間(神域)とこの世を隔てるもの、結界」の意味があります。
特に、中に不浄のものが入ってくるのを防ぐ役割があります。
しめ縄は漢字で、「注連縄」と書き、中国語で「注連」は死霊が入らないように水を注いで清め連ねて張った縄の事です。
しめ縄のもととなっているのは、日本神話の「天岩屋戸」(あまのいわやど)です。
天の岩屋に引きこもった天照大神(あまてらすおおみかみ)を外に出すために、岩屋の前でたくさんの神様が宴をしたり、踊ったりと楽しそうにしています。
それに引かれて、顔を岩屋から出した天照大神を引き出し、再び入ってしまわぬように、フトダマという神がしめ縄を岩屋の入口に張りました。
古事記には「尻久米縄」と記されています。
このしめ縄が、現在のしめ縄の由来とされています。
しめ縄もしめ飾りと一緒で年末に売り出しますが、これは「新しい稲わらでないと、神様が宿らない」
と言われているので、神棚に一年間つけたものを、毎年取り替えるのです。
しめ飾りは正月だけですが、結界であるしめ縄は神棚や井戸、巨大な岩や木などに、神が宿ると言われている場所を仕切るためにつけます。
そして、その中の神様に失礼のないように、新しいものと取り替えるのです。
一年中同じものを飾ってあるところもあるので、土地によって、まちまちですが。
しめ縄の飾り方は?
しめ縄の飾り方ですが
一般的の家庭では神棚に飾ります。神様が宿るところですね。
しめ縄の向きは、神棚に向かって右が太く、左が細いのが家庭では一般的ですが、地方によって違います。
神社でも、向かって右が太くなってる神社や左が太くなってる神社もあります。
出雲大社や伊勢地方では、向かって左が太く右が細くなってます。
玄関に飾るのはしめ飾りが中心ですが、しめ縄を飾っても問題ありません。
でも、華やかに見えるのはしめ飾りでしょうね・・・
しめ飾りの意味は?
しめ飾りは、「お正月にいらっしゃる年神様が居心地のいいように」飾ります。
普段通りの不浄の住居ではなく、掃き清めたキレイな家にして、その上で神様が降りてきやすいように結界を作るのです。
このしめ縄の中でしたら、新年にいらっしゃる年神様が安心して降臨してくれる・・・
という事です。
また、中に入った神様が出られないように飾る・・・という説もあります。
しめ飾りの飾りの意味ですが
- 「神垂(かみしで)」…神の降臨を表す
- 「裏白」(ウラジロ)…清廉潔白を表す
- 「ゆずり葉」…子孫繁栄を表す
- 「橙」…代々栄える様に願う
という意味があります。
このほかにお正月の祝い言葉を書いた紙がついていたり、松の葉や南天の実、鯛やまねき猫の縁起物がついていたり、多種多様です。
しめ飾りの飾り方は?
飾り方ですが、松の内の期間に飾るというのが決まりです。
一般的な松の内は
・12月13日~1月7日
関西では
・12月13日~1月15日
と言われています。
12月13日のすす払い(大掃除のルーツ)が終わり、年神様をお迎えするのにふさわしい場になってから飾ります。
そのため、12月13日を正月事始めと言い、正月準備を始める目安となっています。
飾り始めは、28日が良いとされています。
日本において末広がりとされている漢字の「八(8)」が入っているからです
29日は、日本において苦を連想させる「9」が含まれているので良くありません。
31日も「一夜飾り」と言って、神様をお迎えするのに、たった一夜では誠意を感じないですし、慌ててつけたような感じがしますね。
クリスマス終わりの26~27日辺りでも良いでしょう。
しめ飾りは、玄関(ドアの外側など)に飾ります。
他に、水回り、車などにつける方もいらっしゃいます。この時、しめ飾りとして、しめ縄をつけても問題ありません。
関東では
・玉飾り
と言って、太いしめ縄を輪にしたものに飾りをつけ、稲わらの先を下に垂らしたものが主流です。大きくて玄関向きです。
他に、
・輪飾り
しめ飾りをシンプルにしたものです。(稲藁を細く編んで丸くして裏白や神垂などをつけた物)小型のものもあります。
台所、トイレ、水道・井戸など水回りや大事な物などに、1年の安泰を祈って飾ります。
水回りなどに飾るほか、門松と組み合わせて飾る場合も。
形も洋風の家に倣ったリース型のものや、フラワーアレンジメントの方が作った豪華なものもありますね。
しめ飾りを外したものは、15日のどんど焼き(左義長)で焼き、正月行事の区切りとします。
どんど焼きに持っていけない場合は、神社に収めましょう。
それも無理でしたら、燃えるゴミとして出します。
他のゴミとは別にし、紙に包むなりして、清酒や塩で清めて出しましょう。
まとめ
しめ縄としめ飾りの違いについて、ご参考になったでしょうか。
しめ縄は神様が宿るところに一年中飾りますが、しめ飾りは年末から松の内にかけて飾るものなのですね。
家庭では
- 神様がいる神棚のしめ縄は1年中
- 年神様お迎えするのがしめ飾り
と言うことはですね。
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