秋が深まってくると、晩秋という言葉を耳にしたり、目にしたりする事が増えてきますよね。
ビジネスで使う手紙では、晩秋の候(ばんしゅうのこう)という言葉に触れる事もあるのではないでしょうか。
晩秋を文字だけで見ると、秋の暮れなんだろうな、という事はなんとなく分かります。
しかし、実際にはいつの時期を示すか、ご存知ですか?
そこで、
「晩秋」と「晩秋の候」はいつ?
使い方は?
などについて詳しくご紹介していきます。
晩秋はいつ?
ばんしゅう、または、おそあき、とも読まれる「晩秋」
晩秋とは、秋の終わり頃ですね。
晩秋について詳しく説明するために
- 「晩秋」の時期
- 「晩秋の候」の時期
- 「晩秋の候」使い方
- 3つの秋
に分けてご紹介しますね。
晩秋の時期
晩秋は、寒さなどの体感で言うと、11月中旬~12月上旬に使われる事が多い言葉です。
「晩秋を感じさせる寒さですね」なんて言葉がよく聞かれるようになってきます。
旧暦では、9月。
二十四節季(にじゅうしせっき)でみると、10月上旬~11月上旬が晩秋と考えられています。
気象庁の秋の区分は、9月・10月・11月ですので、
日常生活で“晩秋”という言葉を使う場合、11月中であれば違和感なく使える、という事になりますね。
晩秋の候(ばんしゅうのこう)はいつ?
「晩秋の候」は、手紙などの文章の中で、季節の挨拶として使われる言葉です。
口で発する言葉として使うことはまずほとんどありません。
時候の挨拶(季節の挨拶)は、二十四節気に基づいて使います。
「晩秋」の期間は寒露(10月8日頃)から立冬(11月7日頃)まで。
体感的には、晩秋は11月中旬~12月上旬で、少し季節のずれを感じますね。
挨拶状でを書くときには、寒露のころから立冬のまでに「晩秋の候」または「紅葉の候」を使う事が一般的です。
「晩秋の候」の使い方
時候の挨拶(季節の挨拶)では、「晩秋の候」は、10月8日頃~11月7日頃ですが・・・
現在の10月は、まだ暑い日も多く「晩秋の候」を使うなら11月の方がしっくりきますね。
また、10月~11月上旬には「爽秋の候」や「秋涼の候」を使うこともできます。
11月中旬~下旬には「向寒の候」や「霜秋の候」という挨拶もありますよ。
12月初めの頃だと、「初冬の候」や「霜寒の候」となるので晩秋よりも冬らしさが出てきますね。
とはいうものの、日本は縦に長いので地域によって多少の季節の差があります。
そのため、相手の地域の事をふまえて、季節の挨拶を考えるとより良い印象になりますよ。
まだ晩秋ではないな、という時には初秋の候、仲秋の候として使う事もできるので、活用してみて下さいね。
「晩秋」と「晩秋の候」の違い
晩秋と晩秋の候について、それぞれ説明してきました。
では、違いについてお伝えします。
「晩秋」は日常会話や小説などの状況表現の時などに使われる言葉です。
対して、「晩秋の候」は挨拶状を書くときなど、文章を書くときに使われます。
「晩秋」と「晩秋の候」の違い
- 晩秋の候は、時候の挨拶(季節の挨拶)
- 晩秋は、状況表現の時の言葉
つまり、改まった文章で書くときには「晩秋の候」その他の時に使うのが「晩秋」として考えれば、まず間違いはないです。
例えば、天気予報で「晩秋の候ですので、寒さが増してきました」なんて聞く事はありませんよね。
また、晩秋の候は、寒露(10月8日頃)から立冬(11月7日頃)までの季節の挨拶。
体感的な晩秋は、11月中旬~12月上旬。
実際に使う時には、使い分けにも注意しましょう。
3つの「秋」
晩秋の時期についてもっと詳しく知るために、秋は3つに分けられて考えらえている、という事を説明します。
中秋の名月、という言葉を聞いた事はありませんか?
秋のお月見行事であるこの中秋は季節の言葉では、仲秋とも書きます。
これは、秋を初・中・晩に分けた、“中”にあたるのです。
つまり、秋は
- 初秋
- 中秋(仲秋)
- 晩秋
の3つに分けられるのです。
二十四節気の秋
同じ秋を3つに分けているこの考え方は、季節を24に分けて考えていた二十四節気(にじゅうしせっき)が元になっています。
二十四節気とは古代中国で考えられ、日本に取り入れられた季節の区切りの考え方です。
その二十四節気の中で、秋の始まりをしめす「立秋」から冬の始まりである「立冬」の前日までの6の節が秋だと考えられているのです。
年によって日にちのズレが出てきますが、次のように分けられます。
- 初秋は立秋(8月7日頃~)と処暑(8月23日頃~)
- 中秋は白露(9月8日頃~)と秋分(9月23日頃~)
- 晩秋は寒露(10月8日頃~)と霜降(10月23日頃~)で、立冬の前日までを示します。
日本の季節とは、ズレが感じられますが、古代中国の季節に基づいているためです。
旧暦の秋
旧暦の9月を晩秋、として考えられる事もあります。
旧暦と新暦では、ズレがあります。
旧暦カレンダーでズレを調べることが出来ます。
旧暦の場合でも秋が3つに分けられています。
初秋が7月、中秋が8月、晩秋が9月となります。
ちなみに、中秋の名月は旧暦8月15日に見える月(十五夜の月)を示します。
なので、旧暦の秋を3つに分けた時も、二十四節気の秋を3つに分けた時でも、同じ時期の事を言っているのです。
晩秋は中秋の名月を過ぎた頃、と考えておけば無理なく覚えられるのではないでしょうか。
中秋の名月を今の暦で言うと9月中旬~10月初旬となります。
その年によって、日に前後があるのです。
中秋の名月を見たいと思ったら、旧暦カレンダーなどで確認して下さいね。
まとめ
晩秋と晩秋の候の時期や使い方について、ご紹介しました。
同じ秋でも、時期に差がある、という事が分かって頂けたかと思います。
ソツなく使い分けられるようになれば、カッコいいですよね。
変わりゆく秋の姿に、晩秋の匂いを感じながら、お手紙などを書いてみてはいかがでしょうか。
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